【モーツァルト生誕250周年】

今年はモーツァルト生誕250周年です。
先週金曜日、1月27日が誕生日でした。

金曜の午前十時、ウィーンに
ある壮大で由緒あるブルク劇場は満員の観衆で埋まりました。
ピアニスト、ルドルフ・ブーフビンダーが
モーツァルトのピアノ作品集を演奏し、
演奏の合間にはモーツァルトの手紙が朗読されました。


日本に馴染みのあるピアニストと言えば、
N響で指揮をとっているアシュケナージや日本人を妻に持つブーニン、
容姿でも日本の女性ファンを惹きつけたユンディ・リなど、
ショパンコンクール絡みの人が多いです。

しかし、このブーフビンダーも五歳にして
ウィーン音楽大学に入学する天賦の才を持ち、
モーツァルトを特に好んで演奏する実力者です。

日本の演奏家、あるいは日本に馴染みのある演奏家が
ショパン(昨今ではリスト)に偏るきらいがあるので
どうしてもそちらに関心が向きがちですが、
せっかくなのでモーツァルトという切り口で眺めてみるのも
発見が多く面白いかもしれません。

"Burgtheater"はウィーンにある「ブルク劇場」です。
ここはかつての「宮廷劇場」で、
モーツァルトも精力的に活動していました。
映画「アマデウス」の中で
「フィガロの結婚」が演奏されていた歌劇場なので、
この映画を見る機会があればちょこっと楽しんで見てください。

250周年記念ということで、
BBCでもいくつかモーツァルトが聴けます。
有名どころですが息抜きに交響曲40番などいかがでしょう。
http://www.bbc.co.uk/radio3/mozart/listen_40.shtml

今回の時事英語は→【モーツァルト生誕250周年
【音楽】 | 07:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【パレスチナ評議会選挙、ハマス圧勝】

かつては対パレスチナ超タカ派と呼ばれた
イスラエルのシャロン首相ですが、
PLOのアラファト議長の死をきっかけに
態度を軟化させました。

イスラエルとの共存を公言していたアッバース氏が
アラファト議長の後任になることが確実視された頃から
シャロン首相も岩のドーム立ち入りのような
挑発的な言動を慎みました。

アッバース氏の就任、
そしてイスラエルとの共存発言に応じるかのように
アッバース氏就任直後に大連立を組み、
一気に和平シフトへと動き出しました。

脳梗塞によるシャロン首相の事実上の政界引退状態に次いで、
今回の対イスラエル強硬派ハマスの勝利。

少し風向きが変わったかのようにも思えますが、
相当な重責を感じているのは
勝利を収めたハマスのほうかもしれません。
すぐにファタハとの連立を呼びかけてしまったところ、
何をかいわんやとの感を受けました。

「原理主義」と「過激派」を混同しないようにしてください。
「過激派」に該当するのは「原理主義」の中でも一部です。

ハマスは米国からテロ指定されている原理主義にして過激派ですが、
原理主義だけど過激派ではない組織もあるということを
心のどこかにひっかけておいてくださいね。

今回の時事英語は
→【ハマス、パレスチナ評議会選挙圧勝
【中東】 | 07:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【母体の神秘】

地震などの自然災害時に女児が生まれやすくなることは
昔から経験的に知られています。

そしてここ数年、そのことが科学的に
裏付けられつつあります。

去年10月の研究では環境汚染下での
女児比率の上昇が実証されました。
そして今回は、ストレスの影響です。

自然災害も環境汚染もストレスと無関係ではありません。
それら全てを含め、母体にとっての
"hardship(苦しい状況)"が
"sex chromosome(性染色体)"に影響を与え、
新生児に占める女児の割合を
押し上げることになります。

"fetus"は専門用語のようですが
本当に頻出するのでおさえておいてください。

また、これから派生した"feticide"も頻出します。
インドや中国で問題になっている「胎児殺し」を意味します。

特にインドでは、
女性が嫁ぐ時に相手側に持参金を、
嫁いだ後も折に触れお金を送らなければならないので
超音波検査で胎児が女と判明すれば
中絶を選ぶ傾向にあります。

もっとも、これはもっぱら農村部で色濃い問題であり、
バンガロールなどの都市部ではもはや薄れつつあります。

"embryo"もソウル大学の捏造騒動で
すっかり日の目を見ることになった言葉です。
もはや一般用語と言っても良いくらいなので
おさえておいてくださいね。
【科学】 | 06:52 AM | comments (x) | trackback (x) |

【米国牛、再び輸入禁止】

輸入再開したばかりなのに早速、危険部位発見です。
これも広い意味での「偽装」なのでしょうか。

このようなことは昔からあり
エンドユーザーの意識が少し厳しくなっただけなのか、
あるいは偽装に手を染める人間が増えてきたのか。

「偽装ブーム」なのか「偽装発見ブーム」なのか、
まったくもって定かではありません。

現実世界というのは陰に陽に、
様々な制約に囲まれているので
べき論や理想論、制度論ばかりで進められないでしょうが、
人様に対して胸を張れないことに関わるときは、
少し考える余裕を持ちたいものです。

美味しいお肉食べたい…。

今回の時事英語は→【米国牛、再び輸入禁止
【経済全般】 | 06:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【捕鯨問題とグリーンピース】

長引く社会問題の共通項といえば、
「一つの論理で割り切れないこと」です。

捕鯨問題も同様に、
どの切り口で見るかによって結ばれる像は異なるし、
どんな角度から光を当てるかによってシルエットも変わってきます。

日本のように鯨肉食文化の中で鯨と接してきた国と
自然保護、あるいはホエールウォッチングの中で
鯨と接してきた国とでは、
そもそも出発点からして違っています。

日本人が粋な料理と感じる「活け作り」を見て、
"Terrible!"と口にする欧米人。
こんな光景と相似形に思えます。

それを解決してこその外交なのですが、
捕鯨問題と何の関係も無かった国まで
別の思惑を抱えて参戦して来るようになったので、
もうしばらくは折り合いがつきそうにありません。

グリーンピースといえば
核反対活動の印象が強かったNGOですが、
今では環境と名が付くことにはほとんど顔を出しています。

捕鯨船に体当たりして物議を醸したあとにこのニュースなので、
"controversial"という冠を付けられることとなりました。

バルト海から大使館のあるベルリンまで、
決して遠くはないですが近いとも言えません。
全長17メートル、重量20トン、しかも腐りかけの巨体を
わざわざ運ぶそのエネルギーには驚きです…。
【環境】 | 11:14 PM | comments (x) | trackback (x) |

【国策捜査とライブドア】

連日「ライブドアショック」と呼ぶにふさわしい
下げ幅を見せる東京市場です。

警察と違い、検察による強制捜査は
往々にして「時代の節目」を刻むものです。
検察自身もそれを自覚しています。

かつての「ムネオ騒動」のさなか、
今では正当に評価されつつある佐藤優氏が先に逮捕されたとき、
当時担当だった西村尚芳検事は
「これは国策捜査。
 だから検察はどんな無理でもするよ」と言い放ちます。

無論善し悪しはありますが、
検察がメディアを意識して動くときには
見出されるべき何かがなければなりません。

捜査の細かな進捗状況よりも、
込められたメッセージを考えるほうが案外面白いものです。
【ライブドア】 | 11:59 PM | comments (x) | trackback (x) |

【トヨタ、インド市場の落とし穴に】

解雇された三人の元従業員の復職を求めるストライキを受け、
トヨタ自動車はインドのバンガロールにある工場を閉鎖しました。

インド市場は中国市場に引けを取らない魅力を持っています。
消費市場としても、労働市場としても。
しかし、インドに進出した企業にとって最大のリスクとなるのが、
「解雇の難しさ」です。去年はホンダも手こずりました。
そして今回はトヨタです。

業務態度に難のある三人を解雇して
現地従業員全員がスト決行で工場が開店休業状態ですから、
企業側としてはこれほど不確実かつ
脅威となるリスクはありません。

逆に言えば、この問題さえ解決できれば
企業側はもっと安心して進出できますし、
インド経済にとっても雇用創出効果が期待でき、
互いにwin-winな環境が生まれます。

以前取り上げたマルチ・ウドヨグ社が
企業努力でカーストの壁を乗り越えたように、
解雇事情についてもそう遠くない日に
克服できる時が来るでしょう。

"Bangalore"はインドの都市「バンガロール」で、
インドのシリコンバレー
(Silicon Valley of India)と呼ばれています。

「インドの」という枕詞がつくので
まるで「本家に対する分家」のようですが、
実際は本家を越えているとも言われています。

インドの産学協同拠点でもあり、
マイクロソフト社もインド進出に際してこの都市を選びました。

バンガロールにはバンガロールを、
もっと言うならインドという国家全体を
牽引する人材が溢れています。
その人材輩出の筆頭にあるのが、
インド工科大学(IIT)とインド科学大学院大学(IISC)です。

IITに不合格だったので「仕方なく」、
MITやHarvardに進学する人間もいるほどなので、
空恐ろしい感じすらします。

バンガロールはこのような人材を吸収して成長している都市です。
インドを語る上で欠かせませんので、是非覚えてください。

ホンダのケースでは政治家の仲立ちにより、
解雇者を再雇用することで決着がつきました。

おそらくこのトヨタの場合でも同様な決着になると思います。

そして今回のような騒動が頻発すれば
専門家たちが異口同音に"Chaotic laws"と呼んでいる、
互いに矛盾し合い複雑怪奇に絡まり合った労働法も
改正されることでしょう。
【トヨタ】 | 06:01 PM | comments (x) | trackback (x) |

【中東の磁場、イスラエル】

シャロン首相の容態にこのまま月曜日まで変調がなければ、
医師団は麻酔誘導されている現在の昏睡状態下から
徐々に首相の意識を回復させていく予定です。

連日のようにシャロン首相の容態が伝えられています。
損傷を受けたのが脳であるだけに、
二十四時間全身管理を行っている医師団でさえも
今回の脳卒中がどれほどの後遺症を残すのか、
把握できていません。

緊急手術以降、体が余計な動きをして負担にならないうに
麻酔によって昏睡状態下に置かれていますが、
今後は徐々に麻酔を減らしながら反応を確認し、
なんとか会話ができる状態までは
回復させたいとの見通しを示しています。

現実的に政治復帰は困難と見られているので、
ますます中東情勢から目が離せない展開となりそうです。

シャロン首相の容態を巡る一連の報道は、
医療関連の英語を身につける良い機会です。
すぐに英文に触れても内容も容易に掴めると思います。
シャロン氏がどういう経緯で今に至っているかを
一連の報道で記憶にすりこまされているでしょうし。

あと、中東情勢は国際情勢を見る上で絶対に欠かせません。
中東の歴史を苦手としている人も多いですが、
アラブ社会は第三次中東戦争以降がとても面白いので
苦手に感じている人はひとまずそこから触れてみてください。
【中東】 | 11:02 PM | comments (x) | trackback (x) |

【恒例の異常気象】

今週末の日本は寒さが緩み、
観測史上屈指となる記録的豪雪地帯で雪解けが進むことで
雪崩の危険に晒されることになります。

異常気象という言葉にもすっかり慣れてしまいました。
連日のように寒波、大雪、雪崩などの言葉が
世界を飛び交います。

インドを襲った"cold snap(突然の寒波)"、
アメリカに大打撃を与えた
"Hurricane Katrina(ハリケーン・カトリーナ)"、
そして日本の"heavy snow(大雪)"。

次に同程度の異常気象が襲ってきても、
前例があるのでその時はもう
「異常」ということにはならないかもしれません。

"greenhouse gas(温室効果ガス)"による
"global warming(地球の温暖化)"が叫ばれた頃から、
異常気象も特に大きく取り上げられ始めました。

ほんの数十年前、和辻哲郎が「風土」の中で描いた
各国の風土、気候も、
その半分近くはもうあてはまらないような気さえします。

寒波が来ても「異常気象」、
暖冬になっても「異常気象」。

あてはまらなくなった部分が次に
どこに均衡点を求めるのか、
おそらく誰にもわからないと思います。
これまでになく長期予報が困難な時代となりました。

雪が降って万々歳のスキー場が
一時閉鎖されるほどの降雪量なので、
まさに豪雪と呼ぶにふさわしいものでした。

また寒波到来の予報が出ていますが、
ただただ隔離された地域の正常化を願うばかりです。
【環境】 | 10:37 PM | comments (x) | trackback (x) |

【イランの微妙な立ち位置】

イギリスのブレア首相は、イランの核開発再開問題は
最終的に国連の安全保障理事会に付託されるだろう、
との見通しを示しました。

西欧社会から見れば、
どこか危うい行動が目に付くイランです。
その理由のひとつには、
中東におけるイランの微妙な立ち位置があります。
  
反イスラエルという「アラブの大義」の下で
一見まとまりもあるのでは?
と錯覚しそうな中東ですが、
実際はもっと微妙なパワーバランスの上に成り立っています。

特に中東の盟主とも言えるサウジアラビアは
イランを敵視しています。

イランの母国語はアラビア語ではありません。
比べてみるとよく似ていますが、
イランで使われているのはアラビア語ではなくペルシア語です。

そして戒律の厳しくないシーア派が主流なので、
「イランはアラブではない、抹殺すべき異教徒の国だ」
と公言してはばからないサウジアラビアです。

かつてサウジが中国からミサイルを購入した際、
「イスラエル攻撃のための兵器を買っている」と
国際社会から非難されました。

その時にサウジは言い放ちました。
「これはイランに打ち込むために買ったのだ」

たしかにこれではイランもおちおちしてられません。

"15-member council"とは「十五カ国から成る会」で、
「国連安保理」を意味します。
もちろん、"UN Security Council"と同義です。

今回はイギリス主導で事が進んでいます。
英独仏三カ国の通称"EU3"がイランとの協議を続行していたからです。
なので英独仏はおかんむり状態です。

イランの原油にとてもお世話になっている中国も、
あまり事を荒立てず協議に応じるようイランに呼びかけています。
【中東】 | 11:42 PM | comments (x) | trackback (x) |