【七つの海と絶滅種】

カナダの科学者たちはネイチャー誌に寄せた文章の中で、
一部の深海種が一世代で98パーセントも個体数が激減し、
『絶滅寸前』の定義にあてはまる状況であることを指摘しました。

「七つの海」という言葉を
どこかで耳にしたこともあるかと思います。

かつてはアラビア世界を中心に捉えた一部の海を指しましたが、
新大陸の発見、世界観の変遷とともに、最終的には、
南・北太平洋、南・北大西洋、インド洋、
北極海、南極海を指すようになりました。

そして今回の舞台はその一つ、
北大西洋(northern Atlantic)です。

今回の調査で"a generation(一世代)"で98%も個体数が激減し、
絶滅の危機に瀕している
(on the brink of extinction)と指摘されたのは
メルルーサ(hake)やウナギ(eel)です。

おなじみのウナギはともかく、
メルルーサという魚を聞き慣れない方も
いらっしゃると思います。

これは魚肉の産地偽装問題が騒がれたときに
日本でもしばらく日の目を見ることになった魚です。

切り身にすると外観と味が極めて「タラ」に似ているため、
タラとして売りさばかれていて問題になりました。

プロの料理家が味利き判定していましたが、
すり身にされるとプロでも区別が付きませんでした。

「味も鮮度も負けていないのなら、
 メルルーサという名前で売り出せば良いのでは」
という話も出ていましたが、
「魚としての格」が違うので商売になるわけがない、
とのことでした。

この定義はおなじみ、
レッドリスト(the Red List)を発行している
国際自然保護連合(IUCN = International Union for
Conservation of Nature and Natural Resources)
によるものです。

全部で10分類あって、
今回の「絶滅寸前(Critically Endangered)」は
三番目に危うい状況を示します。

もっとも、これより上の二つは、
「野生絶滅(Extinct in the Wild)」と
「絶滅(Extinct)」なので、
予断を許さない現状であることにかわりないですが。
【環境】 | 10:03 PM | comments (x) | trackback (x) |