【狂牛病、その第一人者の振る舞い】

"Alabama state(アラバマ州)"で
米国内三頭目となるBSE感染牛が確認されました。

米国農務省が言うには、この肉は
"have not entered the human food supply chain
(食物としては流通していない)"とのこと。

さて、ここで日本では馴染みの薄い人物紹介を


"Stanley B. Prusiner(スタンリー・B・プルシナー)"。

プルシナーが食べる牛肉は全て日本牛です。
アイオワ州はシンシナティで育ち、
ペンシルバニア大学を始め
米国有数の研究所で人生を歩んでいた彼が、
ある日突然、米国牛を口にしなくなります。

さて、それはなぜでしょうか?

1.NBAのスター選手である
 "Kobe Bean Bryant(コービー・ビーン・ブライアント)の父親同様、
 人生観を変えざるを得ないほど
 日本牛の美味しさに感銘を受けた。

2.米国牛を食べ過ぎて飽きた。

3.プルシナーは日本牛大好きな日本人を妻に持つ
 大変な恐妻家である。 

このプルシナーなる人物は、
1997年にノーベル生理学・医学賞を受賞した学者です。

蛋白質であるプリオンが病原性物質として振る舞うことを発見、
その功績を称えられての受賞となりました。

『医者の不養生』などとは縁のない学者です。

というわけで、
答えは1でも2でも3でもありません。

ウイルス研究者や学会から異端児扱いされて
共同研究者から見放されても、
蛋白質がウイルスの如く振る舞う異常行動を
単独で研究し続けた一学者の決断です。

#1と2の可能性はなきにしもあらずですが…。
【科学】 | 07:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【臓器売買合法化論(下)】

 - 今回は教材記事です。
 - 日本文の中で気軽に時事英語を味わってください。

米国の二人の医師が、
増え続ける臓器需要に対処するために
"kidney(腎臓)"などの臓器売買を
"legalize(合法化する)"べきだとの
提言をまとめました。

二人は、
"donor pool(ドナープール / 臓器提供者リスト)"を
増やそうとする医学界の試みが失敗に終わっていること、
その一方で、
"organ sale(臓器売買)"が行われている
"black market(闇市場 / ブラックマーケット)"が
活況になっている事実を指摘します。

臓器売買を合法化することは
"remain a taboo(依然としてタブーである)"けれども、
"legalization(合法化)"を考慮すべきである、と。

しかしながら、イギリスの専門家たちは
このような合法化論は不必要な議論であるとし、
例え合法化することになっても
"exploit the poorest section
(社会の最貧困層を搾取する)"だけであると指摘します。

イギリス国内だけでも、
年間400人が臓器提供を受けることなく
この世を去っています。
"13m(1,300万)"もの人々が
ドナー登録をしているのに。

どうしてこのような
ミスマッチが発生するのでしょうか。

ドナー登録の責任機関によると、
"the bereaved families(遺族)"の方々が
"donor's intention(ドナーの意思)"を
知らないことが原因となっているようです。

臓器提供をしたいという
ドナーの意思を知らない遺族は、
亡くなったドナーの体から
臓器を抜き取られることを嫌います。

また、先述の二人の医師も
臓器売買の合法化に関して
二つの壁を指摘します。

一つは、"ethical(倫理的な)"問題。
もう一つは、"the third world(第三世界)"にとって
非常に"exploitative(搾取的)"になる問題。

仮に今、
"unfettered global market
 (足かせのない自由な世界市場)"が誕生すれば、
この二つの問題が噴出します。

"unable to find a suitable donor
(自分に合ったドナーを見つけることができない)"でいる
"blood cancer(血液癌)"患者などは、
"organ match(適合ドナー)"となる
"bone marrow donors(骨髄ドナー)"が
闇市場に存在している可能性もあります。

闇市場に光を当てて制度化すれば、
臓器提供者不足に泣かされている人々が
救われるだろうと、二人の医師は締めくくります。

【科学】 | 07:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【臓器売買合法化論(上)】

臓器売買を合法化しようとする動きは
今に新しいものではありません。

需要と供給のミスマッチが存在する限り
こういう動きは無くならないでしょう。

臓器売買を"legalize(合法化する)"にあたって、
二つの壁が存在するようです。

一つは、"the third world(第三世界)"が
ターゲットにされてしまうこと。
もう一つは、倫理的な問題。

"black market(闇市場)"で登場する
"organ donar(臓器提供者)"は
決まって第三世界の貧困層です。

腎臓売買はパキスタンではとても
"lucrative(儲かる)"ビジネスだと、
公然とインタビューに応じながら
手術跡を見せるパキスタン人男性の姿は、
とても物悲しいものがありました。
  
売買を認めるとなれば当然、
商品価値を見極めるために
商品に厳しい視線が注がれます。

非喫煙者で既往症のない若者の臓器は
さぞかし高値が付くことでしょう。

Rh-の希少な血液型の臓器は
高騰すること間違いないでしょう。
  
善悪の判断、倫理規範は
人によって、社会によって、
時代によって、それぞれ異なります。

しかし、譲れない一線は
確固として存在していて欲しいです。

まぁ臓器売買の合法化をするまでもなく
臓器提供者の数を増やせば解決する問題らしいので、
不発続きのPR活動にどなたか決め手を考えてください。
【科学】 | 07:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【人間の操作に向かって】

1991年に発見されて以来、
着々と謎が解明されつつあるアイスマンです。
氷の中から発見されただけあってミイラとしての保存状態も良いため、
今年に入ってDNA研究結果が続々と発表されています。

今ではすっかり「バカの壁」のおじさんになっている養老孟司氏が
かつてこう言っていました。

「実際に生物学が進んでいる方向は、
 生物学者一人ひとりに聞いたらそのようなことは絶対に言わないが、
 生物学の歴史をある客観性をもって見たときには、
 人間の操作に向かって黙って進んでいるのだと考えている」

5300年もの長きに渡って眠り続けてきたミイラのDNAから
不妊であるとか先史時代における
不妊の社会的意味合いを考察できるなど、
DNA研究ひとつとってもここ数年での飛躍ぶりは驚嘆に値します。

クローン分野はごたごたしていますが、
あとは脳研究さえ進歩すれば本当に何らかの形で人間の行動を
制御・操作できるようになるのではないかと思えてきます。

医療の可能性を広げるという意味では喜ぶべきなのでしょうが、
ややもすると倫理的なハードル設定が非常に困難になりそうです。

やはり人間の操作が当たり前の時代を想像すると
少し戦々恐々とした感をぬぐえませんね。

今回の時事英語は→【アイスマン「エッツィ」
【科学】 | 07:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【母体の神秘】

地震などの自然災害時に女児が生まれやすくなることは
昔から経験的に知られています。

そしてここ数年、そのことが科学的に
裏付けられつつあります。

去年10月の研究では環境汚染下での
女児比率の上昇が実証されました。
そして今回は、ストレスの影響です。

自然災害も環境汚染もストレスと無関係ではありません。
それら全てを含め、母体にとっての
"hardship(苦しい状況)"が
"sex chromosome(性染色体)"に影響を与え、
新生児に占める女児の割合を
押し上げることになります。

"fetus"は専門用語のようですが
本当に頻出するのでおさえておいてください。

また、これから派生した"feticide"も頻出します。
インドや中国で問題になっている「胎児殺し」を意味します。

特にインドでは、
女性が嫁ぐ時に相手側に持参金を、
嫁いだ後も折に触れお金を送らなければならないので
超音波検査で胎児が女と判明すれば
中絶を選ぶ傾向にあります。

もっとも、これはもっぱら農村部で色濃い問題であり、
バンガロールなどの都市部ではもはや薄れつつあります。

"embryo"もソウル大学の捏造騒動で
すっかり日の目を見ることになった言葉です。
もはや一般用語と言っても良いくらいなので
おさえておいてくださいね。
【科学】 | 06:52 AM | comments (x) | trackback (x) |