ジョージ・ソロスと秋の空

ジョージ・ソロスと言えば、言わずと知れた投資家です。
慈善家でもあります。

そしてよく引き合いに出されるのが、
ウォーレン・バフェット。

「NY株式市場には2,3年休んでもらっていても
 まったく支障ない」
とはバフェットの名言の一つです。

戦争のような短期的投機には否定的で、
派手な動きのソロスとは好対照です。

さておき。

このたびソロスが日本の金融政策に言及しました。

曰く、
「五月から始まるトルコやブラジルなどの
 新興市場の暴落の原因は、
 ゼロ金利解除に積極的姿勢を見せる日銀のせいである」と。

俗に言う「流動性の罠」なる言葉が日本の政策当局を悩ませていた頃、
行き場を失ったそれらの資金は
トルコやブラジルなどの新興市場へと流れました。

そして今、
その新興市場で軒並み暴落現象が見られます。

トルコの通貨単位であるリラは、
この五月から対ドル18%の下落を示しています。
株式市場は22%の下落。

確かに、資金の大元締めとも言える日銀が
引き締めに動くというのは、
履かされていた下駄を突然脱がされることに。

もっと日本流に言うなら、
はしごを外される、でしょうか。

しかし、です。
確かに、各国間の政策協調も大事ですが、
局地的にバブル期並みの地価高騰が見られる
日本の現状を無視するわけにもいきません。

何より、日銀は日本の中央銀行であって、
日本の物価の安定こそが第一義なのです。

ここが政策協調の難しさでもあるし、
金融政策の醍醐味でもあるのでしょう。

それにしても、今のトルコは政情不安定です。
キプロスの問題もあって、
EU加盟国としてトルコはふさわしくない、との声も。

結局、今のトルコでは相場を下げるニュースが
たくさん売れている状態です。
日銀云々はどれほど影響があるものでしょうか。

ソロスの投機スタンスと掛け合わせるわけじゃないですが、
彼は言うなれば風の人。

その時々の流れを敏感に感じ取って、
その時々で判断する人。

今回の発言は
Open Society Instituteのフォーラムで飛び出しました。
場所はイスタンブール。
ええ、トルコです。

日本の風に当たれば
また違う発言も生まれることでしょう(知りませんが

しかし元気ですね、彼。
老いさらばえることを忘れちゃってますよね。
羨ましい限りです(はっは
…。
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【デフレファイター】

2006年1月期の
"core consumer price index(消費者物価指数)"が
前年比プラス0.5%と高い伸びを示したことをうけ、
日銀は来週中にも
"ultra-loose monetary policy(量的緩和政策)"に
終止符を打つ構えです。

この量的緩和政策は世界にも例を見ない、
まさに"unorthodox(異例の)"金融政策でした。

一部エコノミストたちの間では
「まだ時期尚早、四月まで待て」との声がありますが、
日銀の解除姿勢を支持する声も増えてきています。

というのも、銀座や六本木のみならず、
巣鴨などでも土地の価格が異常に高騰してきているからです。

現象の一部だけを取り出して
やれ「バブル再来だ」、
やれ「インフレの危機云々」と言いたくはないですが、
過剰供給を放置することは非常に危うい感があります。

かつての三重野総裁世代の日銀マンたちは、
インフレとの戦いの中でキャリアを培いました。

しかし、今の日銀マンたちは、
インフレのみならずデフレを味わうこともできました。
これは日銀にとってかけがえのない財産だと思います。

福井総裁だったか誰だか忘れましたが、
「今回の量的緩和政策は
 金融政策テキストの軽く一章分には値する」
などと言っていたと思いますが、
まさにその通りでしょう。

たとえば、数多ある世界の中央銀行の中で、
インフレターゲットを経験したことがあるのは
ニュージーランドとイギリスだけです。
しかも、デフレ下の事例ではないので
それをそのまま範とするには支障があるものでした。
それでも、政策関係者はデフレ脱却に向けて
そこから多くを学び取ろうとしました。

いつかまた同じようにデフレに陥った国家が
今回の五年に及ぶ日銀の財産から
何かを得ることができると良いですね。

また日本だったら大変ですけども。
【経済全般】 | 07:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【高失業率?低失業率?】

ドイツの"jobless rate(失業率)"は"surge(急上昇)"し
"latest figures(最新の数字)"で12.1%(2006年1月)になりました。

フランスの失業率は昨年末時点で9.6%です。
来年の大統領選を目指す
"Dominique de Villepin(ドミニク・ドビルパン)"首相が
頑張っています。

日本はといえば4.4%(2005年12月)です。
バブル崩壊後の最悪期でも、
年率5.4%(2004年)が一番の底でした。
  
社会インフラの違いを切り捨てて
数字だけで単純比較するのは少々乱暴なのですが、
今の日本が欧州国家のように失業率二桁になったら
社会はどう動くのでしょうか。
  
失業率二桁社会を経験した人間は
今の日本にはほとんどいないので、
やはりどうにも予測不可能です。
ただ、暗くなりそうな確信だけはありますが。
 
同じ比較想像をするなら、
フランスやドイツが今の日本のように
失業率4%台になったほうを想像するほうが
何となく楽しくて良いですね^^

今回の時事英語は
→【ドイツ経済、波に乗りきれず
【経済全般】 | 07:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【世界三大回顧録】

連銀の代名詞のような存在になって久しいグリーンスパン氏も、
ついに引退です。

議長として約19年に渡り舵取りを行ってきましたが、
退任を目前に控えた火曜日の金利委員会で最後の任に当たります。

引退といっても連銀議長を引退するだけで、
すぐにコンサルタント会社を設立し
執筆活動や講演活動も行う予定です。

回顧録が出版されればかなりの確率で
サッチャーやキッシンジャーのそれと
肩を並べる可能性が高いのではないでしょうか。

それほどまでに、世界の市場関係者が彼の言葉に耳を傾けました。
市場が揺れれば揺れるほど、彼の言葉を聞こうとしました。

ブラックマンデーからドットコム・バブル、
911テロなど、FRBの長としての立場上これまで口に出せなかった思惑や
未だ公にされていない彼の思索が文章にまとめられれば、
それもまた彼の"legacy"の仲間入りを果たすと思います。

ちなみに、回顧録といえば宮澤喜一回顧録もなかなか面白かったです。
老いさらばえても何とやらで、
時代の生き証人ここに健在だなとの感を持ったのですが、
このあいだのTBS時事放談を見て
さすがにあの激痩せぶりには唖然としました…。

今回の時事英語は
→【グリーンスパン連銀議長、退任へ
【経済全般】 | 07:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【米国牛、再び輸入禁止】

輸入再開したばかりなのに早速、危険部位発見です。
これも広い意味での「偽装」なのでしょうか。

このようなことは昔からあり
エンドユーザーの意識が少し厳しくなっただけなのか、
あるいは偽装に手を染める人間が増えてきたのか。

「偽装ブーム」なのか「偽装発見ブーム」なのか、
まったくもって定かではありません。

現実世界というのは陰に陽に、
様々な制約に囲まれているので
べき論や理想論、制度論ばかりで進められないでしょうが、
人様に対して胸を張れないことに関わるときは、
少し考える余裕を持ちたいものです。

美味しいお肉食べたい…。

今回の時事英語は→【米国牛、再び輸入禁止
【経済全般】 | 06:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【中国経済の実態】

ブッシュ大統領は中国に対して
元を切り上げるよう一層の努力を促し、
米中間の貿易不均衡が
「非常に厄介な問題」であることを強調しました。

日本に限らず、米国でも中国製品が売れています。
売れる理由は、安いから。
その一言に尽きます。

拡大する貿易不均衡の根源である
この安さを支えているのは
不当に低く抑えられている人民元だとし、
中国からの輸入品に一律三割程度の報復関税を課すべきだ、
との声も上がっています。

「円高不況」という言葉も示すように
輸出が経済を牽引する国では
自国通貨高はあまり好ましくありません。

といっても米国の苛立ちも相当なものなので
中国も完全無視はできないようです。

おそらく数ヶ月のうちには
中国政府も切り上げへと踏み切るのではないでしょうか。

そして切り上げへと踏み切ったとき、
中国経済の本当の巨大な貿易黒字、GDPなどが
白日の下に晒されるでしょう。
【経済全般】 | 11:17 PM | comments (x) | trackback (x) |