【イスラムあれこれ】

ムハンマドの"caricature(風刺漫画)"を巡る騒動が続いています。
イスラム社会と西欧社会とは以前から少し溝があり、
今回もこれといった解決策が見当たりません。
いずれ事態は収拾するでしょうが、間違いなく遺恨は刻まれます。
ただ、相互理解の材料は見出せると思います。
  
イスラム教徒にとっての宗教は生活そのもの、人生そのものです。
"Qur'an(コーラン)"には日々の中で
どう行動すれば良いかが具体的に記されています。
彼らにとっての神は唯一神"Allah(アッラー)"のみで、
その言葉を託された最後の人間がムハンマドです。

アラブの盟主サウジアラビアのテレビでは
コーランの暗誦大会が人気番組だったりするし、
街中でも当たり前にコーランを耳にすることもあります。

非イスラム社会の想像を超えて、信心深いです。
神以外を拝むことになる偶像崇拝は厳禁。
尊敬してやまないムハンマドを漫画にされるだけでも
彼らの感情を傷つけてしまいます。
ましてや、"bomb-shaped turban(爆弾の形をしたターバン)"を
かぶらせてしまっては怒り心頭でしょう。

反面、イスラム教は信者から
「考える機会」を奪っている側面もあります。
  
以前も触れましたが、
レイプ被害に遭った娘や妻を「家名を汚した」として
当然のごとく家族の手で彼女らを殺害してしまう、
"honor killing(名誉殺人)"なる慣習も健在です。

「この世はすべてアッラーがお造りになったもの」が出発点なので、
科学的、学術的な側面でも相容れない部分が多くなってしまいます。
"freedom of expression(表現の自由)"を持ち出しても、
通じないでしょう。

何だか道のりは険しそうですが、
互いを理解しようとする気持ちが先にあるなら
それほど未来は暗くないと思うのですが(甘いかな…)。

今回の時事英語は
→【ムハンマド風刺漫画、大騒動へ
【中東】 | 07:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【パレスチナ評議会選挙、ハマス圧勝】

かつては対パレスチナ超タカ派と呼ばれた
イスラエルのシャロン首相ですが、
PLOのアラファト議長の死をきっかけに
態度を軟化させました。

イスラエルとの共存を公言していたアッバース氏が
アラファト議長の後任になることが確実視された頃から
シャロン首相も岩のドーム立ち入りのような
挑発的な言動を慎みました。

アッバース氏の就任、
そしてイスラエルとの共存発言に応じるかのように
アッバース氏就任直後に大連立を組み、
一気に和平シフトへと動き出しました。

脳梗塞によるシャロン首相の事実上の政界引退状態に次いで、
今回の対イスラエル強硬派ハマスの勝利。

少し風向きが変わったかのようにも思えますが、
相当な重責を感じているのは
勝利を収めたハマスのほうかもしれません。
すぐにファタハとの連立を呼びかけてしまったところ、
何をかいわんやとの感を受けました。

「原理主義」と「過激派」を混同しないようにしてください。
「過激派」に該当するのは「原理主義」の中でも一部です。

ハマスは米国からテロ指定されている原理主義にして過激派ですが、
原理主義だけど過激派ではない組織もあるということを
心のどこかにひっかけておいてくださいね。

今回の時事英語は
→【ハマス、パレスチナ評議会選挙圧勝
【中東】 | 07:00 AM | comments (x) | trackback (x) |

【中東の磁場、イスラエル】

シャロン首相の容態にこのまま月曜日まで変調がなければ、
医師団は麻酔誘導されている現在の昏睡状態下から
徐々に首相の意識を回復させていく予定です。

連日のようにシャロン首相の容態が伝えられています。
損傷を受けたのが脳であるだけに、
二十四時間全身管理を行っている医師団でさえも
今回の脳卒中がどれほどの後遺症を残すのか、
把握できていません。

緊急手術以降、体が余計な動きをして負担にならないうに
麻酔によって昏睡状態下に置かれていますが、
今後は徐々に麻酔を減らしながら反応を確認し、
なんとか会話ができる状態までは
回復させたいとの見通しを示しています。

現実的に政治復帰は困難と見られているので、
ますます中東情勢から目が離せない展開となりそうです。

シャロン首相の容態を巡る一連の報道は、
医療関連の英語を身につける良い機会です。
すぐに英文に触れても内容も容易に掴めると思います。
シャロン氏がどういう経緯で今に至っているかを
一連の報道で記憶にすりこまされているでしょうし。

あと、中東情勢は国際情勢を見る上で絶対に欠かせません。
中東の歴史を苦手としている人も多いですが、
アラブ社会は第三次中東戦争以降がとても面白いので
苦手に感じている人はひとまずそこから触れてみてください。
【中東】 | 11:02 PM | comments (x) | trackback (x) |

【イランの微妙な立ち位置】

イギリスのブレア首相は、イランの核開発再開問題は
最終的に国連の安全保障理事会に付託されるだろう、
との見通しを示しました。

西欧社会から見れば、
どこか危うい行動が目に付くイランです。
その理由のひとつには、
中東におけるイランの微妙な立ち位置があります。
  
反イスラエルという「アラブの大義」の下で
一見まとまりもあるのでは?
と錯覚しそうな中東ですが、
実際はもっと微妙なパワーバランスの上に成り立っています。

特に中東の盟主とも言えるサウジアラビアは
イランを敵視しています。

イランの母国語はアラビア語ではありません。
比べてみるとよく似ていますが、
イランで使われているのはアラビア語ではなくペルシア語です。

そして戒律の厳しくないシーア派が主流なので、
「イランはアラブではない、抹殺すべき異教徒の国だ」
と公言してはばからないサウジアラビアです。

かつてサウジが中国からミサイルを購入した際、
「イスラエル攻撃のための兵器を買っている」と
国際社会から非難されました。

その時にサウジは言い放ちました。
「これはイランに打ち込むために買ったのだ」

たしかにこれではイランもおちおちしてられません。

"15-member council"とは「十五カ国から成る会」で、
「国連安保理」を意味します。
もちろん、"UN Security Council"と同義です。

今回はイギリス主導で事が進んでいます。
英独仏三カ国の通称"EU3"がイランとの協議を続行していたからです。
なので英独仏はおかんむり状態です。

イランの原油にとてもお世話になっている中国も、
あまり事を荒立てず協議に応じるようイランに呼びかけています。
【中東】 | 11:42 PM | comments (x) | trackback (x) |

【シャロン首相 / 年末恒例大暴動】

皆様、明けましておめでとうございます。
2005年はいかがな一年だったでしょうか。

世界的に見てもこの2006年の幕開けは
テロ以降では最もきらびやかで、
祝賀と呼ぶにふさわしい空気となっています。
もちろん解決すべき問題はそれぞれにあるのでしょうが、
全体的にはまさしく、良い流れです。

せっかくなので、良い流れには乗っかりましょう。
流れが止まりそうなら、自分でぐいと流れを作りましょう。
乗り損ねている人を見つけたら、
引っ張り上げてあげましょう。

私はそんな一年にしたいと思いつつ、
今年のマガジンスタートとしたいと思います。

イギリスでは新年早々ストライキということですが、
フランスでは大晦日恒例(?)の暴動が起こっています。

破壊された車両は425台、
身柄拘束された者は362名。

暴動が起こり始めたのは2001年からなのですが、
CNNの紹介では"traditional year-end form of vandalism"と、
伝統行事の仲間入りを果たしてしまっています。
愛車を壊された方、お気の毒さまです…(^_^;)
【中東】 | 11:05 PM | comments (x) | trackback (x) |